概念

人間の思考・認識は個別概念を介して行われる

〔2006.09.19記〕 「概念は『言語』に先立つ(4)」(2006/09/06)において、私は「概念とは、ある対象を〈一定の種類に属するもの〉として把握した認識である。いいかえると、個々の対象から〈ある一定範囲の対象に共通するある一定範囲の属性〉を抽出して形成…

概念というものの性格

〔2006.09.07記〕 概念について、これまでに自分のWebページ(ホームページ)やこのブログに書いてきたことをまとめておく。おおよそつぎのようなものである(新たに詳述した部分もある)。概念という語の定義(語義)については前稿「概念は『言語』に先…

概念は「言語」に先立つ(4)

〔2006.09.06記〕 概念という語の概念について、私と認識を異にする方が多いのに驚いている。それだけソシュールの影響が大きいということだろう。しかし、ソシュールが規定する以前から概念という言葉は存在しており、語と結びついているかどうかは概念の必…

個別概念そして普遍概念・特殊概念

〔2006.08.28記〕 前稿では個別概念という言葉と普遍概念という言葉とを何の説明もなしに用いた。これらと特殊概念という言葉とは構造的なつながりがある。特殊概念と普遍概念についてはかつて「ことば・認識についての覚書」の「7. 概念の階層」の「特殊概…

概念は「言語」に先立つ(3)

〔2006.08.27記・08.28修正/追記〕 ちょっとばかり理屈っぽくなるが今日は数学「的」な説明をしてみたい。 「言語langue」(言語規範の一部)は個人の認識として存在している。そこで、ある個人の意識のうちに存在する「言語」を構成している「シーニュ」の…

概念は「言語」に先立つ(2)

〔2006.08.24記〕 「鏡像における左右反転という現象について」(2006/08/23)へのコメントで、その稿の内容の中に「概念が言語に先立つ」という私の主張に対する反証があるのではないかという指摘を tpkn(敬称略)が寄せてくれた。 コメント:2006/08/23 東…

概念は「言語」に先立つ(1)

〔2006.08.18記および転載・08.22語句修正〕 「言語」の介在しない概念(2006/07/26)に関して建築屋さんから下のようなコメント(挨拶部分を省略)を戴きました。それについて『濫觴(らんしょう』掲示板で回答をさし上げた(2006/08/03)のですが、このブロ…

概念の獲得

〔2006.07.28記〕 概念はまずある個物の知覚として私の意識の中に生じる。それは他の多くの個物との間にさまざまな関係を持った具体的な個物の知覚である。個物を取り巻くそれらさまざまな関係を反省するとき、私の意識はそれらの関係をその個物固有の性質・…

人間の認識は徹頭徹尾概念的である

〔2006.07.26記〕 人間は対象を抽象的・一般的な形態で認識する。 人間の認知・認識は感覚→知覚→表象→(純粋)概念の順に抽象化・一般化の程度が上がっていく。しかし、感覚でさえすでに現実の対象から選択的に情報をとらえている。そこではある程度の情報が捨…

「言語」の介在しない概念

〔2006.07.26記〕 言語規範が介在しない概念について考えてみたい。ソシュールはそのような概念は存在しないと考えていたらしい。そうでなければ「思想は,それだけ取ってみると,星雲のようなものであって,そのなかでは必然的に区切られているものは一つも…