弁証法

〔弁・抜〕先天主義

エンゲルス『反デューリング論』「第一篇 哲学 3 分類。先天主義」から ……思考のあらゆる分野で起こることであるが、現実の世界から抽象された諸法則が一定の発展段階に達すると、それは現実の世界から分離されて、なにか自立的なものとして、外からやって…

弁証法的なとらえ方

〔2006.07.04記〕 すべてのもの・存在は物質的なものも精神的なものも含めてその端初は「物自体」つまり、即自的な存在である。しかしそれはその内に運動(他のもの・存在と関連すること)を孕んだ存在であり、運動の最中においてはそれはもはや自体的な存在…

〔弁・抜〕人は多かれ少なかれ「観念論者」である

『フォイエルバッハ論』「二 観念論と唯物論」から 人間を動かすものはすべてその頭脳を通過しなければならないということは、どうしても避けることができない。飲み食いでさえそうであって、それは頭脳によって感じられた飢えと渇きにはじまり、同じく頭脳…

〔弁・抜〕物自体――『フォイエルバッハ論』から

『フォイエルバッハ論』「二 観念論と唯物論」から しかし思考と存在との関係という問題は、なおもう一つの側面をもっている。それは、われわれをとりかこんでいる世界についてのわれわれの思想は、この世界そのものとどんな関係にあるのか、われわれの思考…

〔弁・抜〕ディーツゲンの「事物自体」批判

『人間の頭脳活動の本質』「三 事物の本質」から 精神は一般的に、属性から実体へ、相対者から絶対者へ、仮象を越えて真理へ、事物「自体」へ到達しようと努力したが、その努力の結果、 実体は思想によって集められた属性の総計であること、従って、精神或は…

「物自体」は非存在である

〔2006.07.03記〕 「物自体」について、エンゲルスの『自然の弁証法』〔覚書きと断片〕から引用。 III 弁証法 III-b 弁証法的論理学及び認識論。「認識の限界」について 〔25〕 物自体。ヘーゲル『論理学』第二部、一〇頁、以下これに関する一節全部も。「で…

存在と対象

〔2006.02.24記〕 存在と対象 「非対象的な存在とは一つの非存在である」(マルクス『経済学・哲学草稿』)。非対象的な存在とは非存在すなわち無である。あるものはその対象を俟(ま)ってはじめて存在となる。なぜなら対象の存在があるものの存在の証であり…