メイリオのディセンダを変える

〔2007.02.28記〕〔2007.03.01追記(画像を追加)〕〔2007.03.04内容修正(手順を簡略化)〕

テンプレートとスタイルシートをいじってブログのデザインをすっきりした感じに変えたついでに本文に指定するフォントを MeiryoKe_Gothic(monospace) からメイリオ(sans-serif)に変更しました。ブラウザで使用するメインのフォントもメイリオにしました。

メイリオは、漢字・仮名に半角の英数字や各種記号が混じった日本語の文章を液晶ディスプレイで読むにはとても適している、とかなり以前から私は思っていました。ただ、「メイリオ系フォントについて(1)(2)」でも触れたように、メイリオはディセンダ(文字下部の空隙)が大きいため、このブログのように単語や文に背景色(インライン要素に対するバックグラウンドカラー指定)を使っている場合にその表示が不格好になるという理由でメイリオを使わずにいたのですが、ある程度まとまった長さの文章を表示するにはメイリオがやはり一番適していると、実際に変更してみて感じました。老眼のせいもあるでしょうが、半角文字のように文字と文字との間隔が詰まっているのはやはり読みにくいし、文章全体のバランスもあまりよくありません。ただし、サイドメニューの部分は幅が狭いのでその点を考慮して今まで通り MiryoKe_PGothic(sans-serif) のままにしました(それ以外は少数の例外を除きメイリオに変更)。

そんなわけで、本文の表示はメイリオに変更しましたが、自分で読むときくらいは適切なディセンダで表示したいと考えました。要は、メイリオのアセンダ(上部の空隙)とディセンダ(下部の空隙)を MeiryoKe と同じにすることですが、これは BREAKTTC.EXE と ttfname3.exe、および MAKETTC.EXE を使えばできます。つぎのように .batファイルを利用すればコマンドプロンプトに降りずに、エクスプローラや他のファイラー上で作業が可能です。


〔注記〕 meiryo.ttc と meiryob.ttc に対する作業を分けていましたが、まとめてやってしまった方が楽なので手順および batファイルの内容を変更しました。

(1) 「MSゴシックとMS明朝で、ClearTypeを有効にする」を参考にして BREAKTTC.EXE と MAKETTC.EXE を手に入れます。

(2) 「ttfname3」から ttfname3.exe を手に入れます。

(3) 作業用のフォルダを作成して(たとえば c:\work)、そこに BREAKTTC.EXE, ttfname3.exe, MAKETTC.EXE をコピーし、さらに Fontsフォルダから meiryo.ttc, meiryob.ttc をコピーしておきます。以後の作業はエクスプローラ等を使ってこの作業フォルダ上で行ないます。

(4) メモ帳を開きつぎの内容をコピー&ペーストし、"break.bat" という名前で作業用のフォルダに保存します。


rem --- meiryo.ttc, meiryob.ttc から .ttf ファイルを取り出し、ファイル名を短縮・変更する。

breakttc meiryo.ttc

ren FONT00.TTF mr.ttf

ren FONT01.TTF mri.ttf

breakttc meiryob.ttc

ren FONT00.TTF mrb.ttf

ren FONT01.TTF mrbi.ttf



rem --- .ttf からフォント情報を読み出して .xmlファイルに書き出す。

ttfname3 mr.ttf

ttfname3 mri.ttf

ttfname3 mrb.ttf

ttfname3 mrbi.ttf

(5) 作業用のフォルダで break.bat をダブルクリックして実行します。この結果、作業用のフォルダ内に mr.ttf, mri.ttf, mrb.ttf, mrbi.ttf ("メイリオ", "メイリオ イタリック", "メイリオ ボールド", "メイリオ イタリック ボールド" の ttf) が取り出され、それらからフォント情報を読み出した mr.xml, mri.xml, mrb.xml, mrbi.xml が作成されます。

(6) mr.xml をメモ帳にドラッグ&ドロップして開き、最初の "Header" 情報のうち Ascender, Descender, WinAscender, WinDescender の数値をつぎのように書き換えてから「上書き保存」します。mri.xml, mrb.xml, mrbi.xml についても同様に "Header" 情報を同じ数値で書き換えて「上書き保存」します。


Ascender="1962"  ← "2171" から "1962" に

Descender="-446"  ← "-901" から "-446" に

WinAscender="1962" ← "2171" から "1962" に

WinDescender="446" ←  "901" から  "446" に

(7) メモ帳を開きつぎの内容をコピー&ペーストし、"make.bat" という名前で作業用のフォルダに保存します。


rem --- 書き換えた情報を元にして新しい .ttf ファイルを作る。

ttfname3 mr.ttf mr.xml

ttfname3 mri.ttf mri.xml

ttfname3 mrb.ttf mrb.xml

ttfname3 mrbi.ttf mrbi.xml



rem --- 作成された新しい .ttf ファイルを組み込んだ meiryo_.ttc, meiryob_.ttc を作る。

makettc meiryo_.ttc mr_mod.ttf mri_mod.ttf

makettc meiryob_.ttc mrb_mod.ttf mrbi_mod.ttf

(8) 作業用のフォルダで "make.bat" をダブルクリックして実行します。この結果、作業用のフォルダ内に mr_mod.ttf, mri_mod.ttf, mrb_mod.ttf, mrib_mod.ttf が作成され、さらにこれらを二つずつ組み込んだ MEIRYO_.TTC, MEIRYOB_.TTC が作成されます(名前が大文字になっていますが、あとで名前を変えますので気にせずに…)。これがアセンダ、ディセンダを修正した新しい "メイリオ" と "メイリオ ボールド" です。

作業用に作成された mr.ttf, mri.ttf, mrb.ttf, mrbi.ttf や mr_mod.ttf, mri_mod.ttf, mrb_mod.ttf, mrib_mod.ttf や mr.xml, mri.xml, mrb.xml, mrbi.xml、あるいは break.bat, make.bat は用済みなので削除してしまってもよいですが、失敗したときのことを考えて MEIRYO_.TTC, MEIRYOB_.TTC と一緒にどこかのフォルダに保存しておくことをお勧めします。元ファイルの meiryo.ttc, meiryob.ttc はバックアップがあるなら削除してしまっても構いません。

こうしてできた MEIRYO_.TTC と MEIRYOB_.TTC をそれぞれ meiryo.ttc と meiryob.ttc という名前に変えて Fontsフォルダに上書きコピーします。その後でコンピュータを再起動すればこれらがディセンダを変更した新しいメイリオとして認識されます。

〔2007.03.01追記(画像を追加)〕

下はメイリオメイリオ_改(アセンダ/ディセンダを MeiryoKe と同じにしたメイリオ)、および MeiryoKe_Gothic の比較です。なお、IE6.0 と Firefox2.0.0.2 とではバックグラウンドカラーの表示が大分違いますので比較のために両者を示します。文字の大きさと line-height はこのブログの本文と同じ設定にしました。

IE6.0 での表示
メイリオ・メイリオ_改・MeiryoKe_Gothic IE6.0

Firefox2.0.0.2 での表示
メイリオ・メイリオ_改・MeiryoKe_Gothic Firefox2.0.0.02

(関連記事)

WindowsXP のシステム・フォントを変更する(4)――番外

〔2007.02.19記〕〔2007.02.19追記〕〔2007.02.26追記

WindowsXP のシステム・フォントを変更する(3)の実験についての追記が長くなってしまいましたので、新しい記事(番外編)として続けます。追記というのは、つぎのような現象に関するものです。

フォント関係のレジストリ値を変更・追加してシステムフォントを MSゴシックから MeiryoKe に変更した状態で Fontsフォルダの MSGothic.ttc のファイル名を他のもの(MSGothic_org.ttc など)に変えて起動すると奇妙な現象――システムフォントを変更しているにもかかわらず依然として MSゴシック系で表示されていた部分が MeiryoKe系で表示されるようになる現象――が起こります。この現象を観察してみようというわけです。

この現象は、起動時にシステムが MSゴシック系のフォントを認識できないために起こっていると考えられますが、Fontsフォルダのウィンドウを開いたり、エクスプローラで Fontsフォルダを覗いたりすると MSゴシック系のフォントが認識され、この現象は終ってしまいます。MSゴシックで表示されていたサイトなどが MeiryoKe で表示されるなど、この現象の恩恵は有り難いのですが、ちょっとフォントフォルダを覗いたくらいで終ってしまうのは残念です。もっとも過激なやり方は Fontsフォルダから MSGothic.ttc をなくしてしまうことですが、これはあまりやりたくない(そのうちやるかもしれませんが…)。で、 MSゴシック系のフォントを認識しているかどうかを Fontsフォルダを覗かずに確かめるにはレジストリを調べてみればよい、ということに今さらながら気づきました。

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Fonts] の内容を見ればいいのですね。チェックしてみるとやはり MS Gothic, MS PGothic, MS UIGothic は認識されていませんでした。

また、ファイル名を変えているという仮装がシステムにばれてしまっても、元の MSゴシックではなく、ビットマップを除去した MSゴシックに戻るのなら我慢できるかもしれません。というわけで「WindowsXP のシステム・フォントを変更する(3)」でご紹介した「MSゴシックとMS明朝で、ClearTypeを有効にする」というページを参考にして、ビットマップデータを除去した MSGothic.ttc を作りました。これをコピーして MSGothic_new1.ttc, MSGothic_new1.ttc というファイル名の二つのフォントファイルを作り、これらをとっかえひっかえ Fontsフォルダに入れて観察を続けることにしました。

ビットマップを取り去った MSゴシックですが、マイクロソフトがビットマップで置き換えるだけのことはありますね。ClearType にしても日本語部分はやはりでこぼこが目立ちます(英数字はそれほどでもありません)。12pt あたりの大きさではあまり使いたくないフォントです。しかし、8pt とか 9pt あたりならなんとか見られます。ビットマップよりも可読性がいいことはたしかです。Styler の表示でも悪くはありません。ブラウザでサイトの文を読むのはちょっと(それでも老眼の私にはビットマップよりは読みやすい)といった感じでしょうか。

〔2007.02.19 追記

ビットマップを取り去った MSゴシックではやはり満足できません。それで、MSGothic.ttc からビットマップデータを除去した勢いを借りて、meiryoKeGothic.ttc に入っている MeryoKe_Gothic, MeryoKe_PGothic, MeryoKe_UIGothic のフォント名をそれぞれ MS Gothic, MS PGothic, MS UI Gothic に変えたフォントファイルを生成することに挑戦してみました。その結果、多少のつまづきはあったものの、「MSゴシックとMS明朝で、ClearTypeを有効にする」や「ttfname3」を参考にしてなんとか成功しました。

そんなわけで、現在私のパソコンの Fontsフォルダには MSGothic.ttc の代わりに MSGothic_MKe.ttc(これが生成したフォント) が入っています。再起動してさらにシステムに認識させたのでレジストリの [Fonts] にも "MS Gothic & MS PGothic & MS UI Gothic (TrueType)"="MSgothic_MKe.ttc" として登録されています。ここまでやってしまうと「WindowsXP のシステム・フォントを変更する(1)」で施したレジストリ値の変更・追加の多くは不要になるのですが、meiryoKeGothic.ttc を MSGothic.ttc にすりかえたことによる弊害が何か現われるかもしれないので、当面このままで使い続けてみようと思います。

下は Styler の表示です。

Styler_MKe1.png

Styler_MKe2.png

〔2007.02.26追記

何日かの間、MSGothic.ttcに化けた MeiryoKe_Gothic.ttc(内部フォント名を MS Gothic, MS PGothic, MS UI Gothic に変更) を Fostsフォルダに置いて、オリジナルの msgothic.ttcを待避させた状態で WindowsXP を使用していますが、今のところ特に不具合はありません。また、MeiryoKe を MS Gothic としてシステムに認識させているので、レジストリの [Associated DefaultFonts] も "AssocSystemFont"="MSGothic.ttc", "FontPackage"="MS Gothic" に戻しました。

というわけで、このまま続けます。何かあったら、報告致します。

(関連記事)

WindowsXP のシステム・フォントを変更する(3)

〔2007.02.17記〕〔2007.02.18 追記(1)〜(3)〕〔2007.02.19 追記(4)〕

WindowsXP のシステム・フォントを変更する(1)のようにレジストリ値を変更・追加してシステムフォントを MeiryoKe にしても、一部のプログラムではビットマップフォント(MS UIGothic)で表示される部分が残ります。どうやらレジストリの置換情報を参照せずに直接 MSGothic.ttc の中身のフォントを使っているようです。そうすると MS UIGothic 等にはビットマップデータ(Embedded Bitmap Data:EBDT)が含まれているため、あるサイズ以下の文字の場合は TrueType ではなくその EBDT を使って表示されるわけです。

このようなビットマップ表示の部分まで TrueType で表示させるには Fontsフォルダにある MS Gothic.ttc の中身(MS Gothic, MS PGothic, MS UIGothic)からビットマップデータ(EBDT)の部分を除去してしまえばいいのですが、あいにく私にはそれをするだけの技術と根気がありません(「MSゴシックとMS明朝で、ClearTypeを有効にする」にはその方法が詳しく書かれています)。

次善の策としては、MSGothic.ttc と同じように等幅・プロポーショナル・UI の三つのタイプのフォントを含み、かつビットマップを持たない TrueType のフォントがあり、かつ内部のフォント名が MS Gothic, MS PGothic, MS UIGothic になっているようなフォントが存在するなら、それを MS Gothic.ttc と入れ換えてしまうという方法があります(さらにそのフォントの実体が MeiryKe であれば一番ですが…。まあ、ないものねだりをしても仕方がありません)。

ところが MSGothic.ttc と入れ換えができるそのようなフォントが実はあるのですね。「WindowsXP のシステム・フォントを変更する(1)」のコメント欄(02/15)で takayukiさんに教えていただいた「MS *ゴシック Ex+ 配布ページ」にある MS *ゴシック Ex+ Ver.2.14 というのがそれです。これは SHARP のパソコンなどにインストールされている SH G30.ttc というフォントからビットマップ部分を除去し、その半角文字の部分をこれまたビットマップ部分を除去した MS Gothic のものに置き換えてつくられた合成フォントです(SH G30 から EBDT を取り除くためのパッチというのがかつて存在していて、私はそれを使って作った EBDT なしの SH G30 をしばらく愛用していました。VAIO には TBゴシック というきれいなフォントが最初から入っているのを知らなかったんですね)。

さて、上記ページにリンクされたダウンロード・ページからDLした MS-GothicExPlus.7z* という圧縮ファイルを解凍すると MS-GothicExPlus というフォルダがつくられます。そしてその中にある Install.bat を実行すると Windows\Fontsフォルダにあったオリジナルの MSGothic.ttcWindows\FontsBackup\Original にコピーされ、外面は MSGothic でありながらデータは MS *ゴシック Ex+ である MSGothic.ttcWindows\Fontsフォルダにコピーされてフォントが入れ換わります(再起動しないと有効にはなりません)。なお、オリジナルの MSGothic.ttc に戻したいときは Uninstall.bat を実行します。その他の詳しいことはダウンロードページに書いてありますのでそちらを読んでください。


* 7z(7-Zip)ファイルを解凍するソフトは "7z" で検索するといくつか見つかります。私はLhaz.exeというツールを使いました。

なお、私はバッチファイルを利用せずに手動で MSGothic.ttc の入れ換えをしましたが、オリジナルの MSGothic.ttc はきちんとバックアップをとってあります(この記事を書くために何度か入れ換え/戻しを繰り返しました)。

上記のページには外面も中身も MS *ゴシック Ex+ である普通のフォントファイル MS *ゴシック Ex+(ON) Ver.2.14 もあります。実際に入れ換えをする前にどんな字体のフォントなのかを確かめておくといいかもしれません。下の画像は入れ換えをする前の MS ゴシック系の表示と MS *ゴシック Ex+(ON) との比較です。ついでに入れ換える前の FixedSys の表示も示します。なお、「WindowsXP のシステム・フォントを変更する(1)」のレジストリ変更部分のうち FixedSys に関係する

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\FontAssoc\Associated DefaultFonts]

の部分は MeiryoKe_Console から元の MSGothic に戻してあります。

入れ換え前

下は入れ換え後の MS Gothic と MS *ゴシック Ex+(ON) との比較です。まったく同じになっていることが分かります。FixedSys がクリアタイプの効いていない MS *ゴシック Ex+ に変わっていることも分かります。日本語部分の丈が縮んで半角部分よりも低くなるので不格好です。

入れ換え後

さて、これで FixedSys の問題を除くとほとんどの部分が TrueType で表示され ClearType の効いた読みやすいものになりました。ぜいたくをいえば EBDT が取り除かれた MS Gothic、さらにぜいたくが許されるなら MS Gothic に化けた MeiryKe が欲しいところです。

〔2007.02.18 追記(1)〕

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\FontAssoc\Associated DefaultFonts]

の部分はやはり MeiryoKe_Console の方がいいみたいです。Gothic に戻すと、以前 MeiryoKE で表示されていたのに MS Gothic の仮面をかぶった MS *ゴシック Ex+ で表示されるようになった部分があります。というわけで、再び MeiryoKe_Console に戻しました。

しかし、大部分が MeiryoKe で表示されている中に MS *ゴシック Ex+ が混じっているというのはやや違和感があります。MS Gothic なら見慣れているのでたとえビットマップであってもそれほど違和感はないのですが…。たぶん慣れの問題なのでしょう。

ところで、いろいろと試しているうちに奇妙な現象に出会いました。私はつぎのような手順で MSGothic.ttc の入れ換えをしています。

(1) Fontsフォルダにある MSGothic.ttc をデスクトップに移動する。

(2) 入れ換える MSGothic.ttc(これは MSGothic_org.ttc, あるいは MSGothic_ex.ttc という名前で保存用のフォルダに入れてあります)を Fontsフォルダに移動し、そこでファイル名を MSGothic.ttc に変える。

(3) 再起動後、デスクトップ上の MSGothic.ttc のファイル名を MSGothic_ex.ttc あるいは MSGothic_org.ttc に変え、保存用のフォルダに移動する。

何度か繰り返しているうち、Fontsフォルダに移動した MSGothic_org.ttc の名前を変えるのを忘れて MSGothic_org.ttc のまま再起動してしまいました。すぐに気がついたのですが、レジストリの書き換えをして MSGothic.ttc はシステムフォントではなくなっているし、中身はオリジナルの MS Gothic, MS PGothic, MS UIGothic ですから起動時にちゃんと読み込まれるだろうと思いました。ただ、ファイル名が MSGothic.ttc ではないので何らかの変化が起こるのではないかとも思っていました。

で、その結果ですが、Styler の表示がつぎの画像のようになっていました。

Styler_MsKe.png

ふつうなら MS UIGothic のビットマップで表示されるはずの部分が MeiryoKe_UIGothic になっています。ただし、下の部分が欠けていますが(ディセンダ部分の大きさの違いですね)。

それだけでなく、MS Gothic 系を指定した部分がブラウザ上で MeiryoKe 系で表示されます(下の画像)。また、私は Firefox のオプションで「Web ページが指定したフォントを優先する」にチェックを入れているので、MS Gothic で表示されるサイトがかなりあるのですが、それらのページも MeiryoKe で表示されるようになりました。思わぬ副産物ですが、副作用がないとも限りません。しばらくこの状態で様子を見てみたいと思います。

Styler_MsKe.png

というわけで、今のところ MS *ゴシック Ex+ は出番がありません。と、ふと気になって Fontsフォルダを開いてみたところ、「MS ゴシック & MS Pゴシック & MS UI Gothic」「MS Gthic & MS PGothic & MS UI Gothic」 は登録されていはいますが、ともにファイル名が MSGTHIC.TTC になっていてサイズが 0 KBです。つまり、存在していないと認識されているのですね。そのために MeiryoKe が完全にMSGothic に取って代わってしまったと思われます。ということは Fontsフォルダに MSGothic.ttc が存在していない場合にも同じ現象が起こりそうです。いずれにしても危険な香りのする実験ですので、決してお勧めできることではありません。レジストリの変更によって MeiryoKe がシステムフォントになっているからこその現象ですから、レジストリ変更をしていない場合には起動しないでしょう。無謀な冒険は避けておくのがよいと思います。

〔2007.02.18 追記(2)〕

Fontsフォルダを開くと、MS Gothic, MS PGothic, MS UIGothic が認識されるようです。閉じてからもう一度開いてみるとちゃんと認識されており、Styler の表示等も元通りになります。ブラウザでの表示も同様です。お騒がせいたしました。Fontsフォルダを開かずにいたらどうなるか、さらに実験を続けます(認識されてしまったら MSGothic_ex.ttc と MSGothic_org.ttc を交互に入れ換えて再起動。ファイル名の変更はしない)。

〔2007.02.18 追記(3)〕

エクスプローラで Fontsフォルダを開いた場合は大丈夫なようです。追記(2)は、直接 Fontsフォルダのウインドウを開いた場合です。しかし、エクスプローラや他のファイラーで MS Gothic, MS PGothic, MS UIGothic が収納されているファイルをダブルクリックして直接開こうとした場合にもおそらく認識されるだろうと思います。つまり、MS Gothic, MS PGothic, MS UIGothic を含むファイルに直接アクセスするようなアクションをすると認識されるということでしょう。私はエクスプローラをほとんど使わずに WinFD というファイラーを使っていますが、WinFDで Fontsフォルダを開いた場合もそれだけで認識されることはありません。

追記(2)を書いた後 Fontsフォルダのウインドウを開いていませんが、MS Gothic系が MeiryoKe系で表示されるという状態は維持されています。

〔2007.02.19 追記(4)〕

追記(3)を書いている段階では大丈夫だったのですが、現在は認識された状態になっています。エクスプローラで Fontsフォルダを開いた場合にも認識されるということでしょう。

(関連記事)

(トラックバックを送った記事)



Windows Font Final(まいう〜さん)

WinAmp の表示をメイリオ系にする

〔2007.02.13記〕〔2007.02.13追記

パソコンで音楽を聞くときに私はメディアプレイヤーと WinAmp とを使い分けています。とはいえ主に使っているのは WinAmp の方です。最新版の Winamp 5.32(WinAmp Modern) に日本語化キットを当てたものなのですが、やはりフォントが気に入らない。これもメイリオ系の Meiryo_Ke で表示したいと思ったわけです。といっても WindowsXP のシステムフォントを変えるよりはずっと簡単(しかし WinAmp は設定できることが沢山ある上に説明の内容がよく分からないために試行錯誤の繰り返しでした。以下はその結果得られたものです。分かってしまえばあっけないほどのものでした)。しかも WinAmp Modern のフォント設定は他の WinAmp スキンにも適用されるので基本的にはスキンごとの設定は不要です。

まずは、メインウィンドウに表示される曲情報。ここの部分にはシステムフォントが使われていますが、Styler でフォント指定するだけでは不十分なようです。WinAmp の方でそれなりの設定をする必要があります。設定メニューの部分などには XP のスキンの「メニュー項目」で指定したフォントが使われますので、とりあえず Styler で MeiryoKe を設定しておきます。下のような設定がいいと思います。

“Styler_jg.png”

さて、WinAmp の設定です。メニューまたは右クリックメニューから [Option(オプション)]→[設定] のウィンドウを開きます。左側にある「スキン」の項目 [Modern Skins] を選び、右側の [Font Rendering]タブを開きます。そこの2段目の「代替フォント」で「スキンで代替フォントが定義されている場合、代替フォントを利用する」をチェックします(下の画像参照。他の設定も参考にしてみて下さい)。これでメインウインドウの曲名表示が MeiryKe_UIGothic に変わります。

設定1 → WinAmpModernMain.png

つぎはプレイリストやメディアライブラリで表示されるフォントを設定します。上と同じように [設定] のウィンドウを開き、左側の「General Preferences」の項目「プレイリスト」を選択します。そして右側の一番上の「プレイリストエディタ外観」の「使用フォント」で MeiryKe_UIGothic を指定します(下の画像参照)。これでプレイリストとメディアライブラリのフォントが MeiryKe_UIGothic に変わります(フォントサイズは好みの大きさにしてください)。この段階で Notifier のフォントも下のように変わっています。

設定1 → WinAmpModernPL.png
WinAmpModernML.png  “WinAmpModernNT.png”

ぬるぽ伝説』(tetsuyaさん)で紹介されていた(どういうわけかその記事はもうありませんが) Inter-Pol.By.RU AMP RC4 という VISTA 風味のスキンでの表示を載せておきます(このスキン、私のマシンでは重いです)。プレイリストとメディアライブラリのフォントは MeiryKe_PGothic に設定してあります。

WinAmp_RC4.png

さて、メディアプレーヤーも私の非力なノートブックでは重いのですが、WinAmp はもっと重いのですね。で、フォント設定をいろいろいじっているうちに [Option(オプション)]→[設定] のウィンドウ→[Modern Skins]→[General]タブにある「Timers Resolution」という設定に気がつきました。ここに「(補足: 小さな値を設定するとPCのパフォーマンスを落とすことになるでしょう)」とあります。そこで思い切ってこの値を最大の 250ms にしてみまたところかなり軽くなりました。上の Inter-Pol.By.RU AMP RC4もなんとか我慢できる程度にまで軽くなりましたので、とりあえずこの設定でしばらく続けてみようと思います。

なお、Winamp5.32と「Winamp5.32 日本語化キット」は両方とも「窓の杜-メディアプレイヤー」のページからダウンロードできます。

〔2007.02.13追記

どうも一筋縄ではいかないようです。実はこの記事を書く数日前に以前のように UXTheme Multi-Patcher でパッチを当てていました。そして、レジストリのフォントリンク部分([HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\FontLink\SystemLink])では、さらに Verdana 、Trebuchet MS、それに Lucida Grande に対して "meiryoKeGothic.ttc,MeiryoKe_UIGothic" をリンクさせていたのでした。

それで、昨日「Verdana や Lucida Sans Unicode にわざわざ MeiryoKe をリンクしなくても勝手に日本語フォントとしてシステムフォントの MeiryoKe をリンクしてくれるのではないか」と考えて、Verdana 、Trebuchet MS、Lucida Grande、さらに Microsoft Sans Serif と Lucida Sans Unicode のフォントリンクを外してしまったのでした(レジストリを削除した)。その状態で今朝パソコンを起動して WinAmp で音楽を聞こうとしたところ、メインウィンドウで曲名の日本語部分が表示されません。英数字は表示されています。どうやら日本語部分は全部半角スペースに置き換えられているようです。そこで、「スキンで代替フォントが定義されている場合、代替フォントを利用する」のところのチェックを外したところ、今度はちゃんと日本語が表示されました。

つまりこの部分のチェックは不要だったらしいのです。それにしてもフォントリンクがこんなところに影響しているとは思いませんでした。そこで今度はレジストリのフォントリンクを、削除する前の状態に戻して再起動して調べることにしました。

起動直後、Styler でフォント指定をする前に WinAmp を開き「設定」を覗いてみます。下の画像のようになっていました。曲名の日本語部分もきちんと表示されています。

設定2-1

しかし不思議です。昨日分の [Font Rendering] の画像と見比べてください。昨日の画像ではビットマップであった部分がすべて True Type フォントになっています。 [Font Rendering] だけではありません。他の部分もすべてビットマップだったところが True Type で表示されています。なぜこうなるのか、理由が分かりません。レジストリは昨日の状態に戻しましたので、その条件は同じです。で、その原因になったものはすぐに分かりました。その状態で Styler でフォント指定をしたらどうなるか調べてみようと思って、Styler を起動しました(「起動時にスタイルを適用する」のチェックはしていません)。そこまでは何の変化もありません。しかし、「変更を適用」のボタンを押してフォント指定を行なったところ、変化が起こりました。昨日と同様にビットマップになってしまいました。曲名部分は大丈夫です。

というわけで、メインウィンドウの曲名部分については今日の [Font Rendering] の画像にあるようにすべてのチェックを外して [Winamp文字コードビットマップフォントのTrueType置き換え] 項目のフォントサイズの部分だけを適当な大きさにするだけでいいようです。置換フォントの部分はどうなっていても構わないようです(いろいろと変えてみましたが変化がありません)。要はすべてのチェックを外すことだったのですね。ちなみにフォントリンクを元通りにしましたので、[代替フォント] 項目の「スキンで代替フォントが定義されている場合、…」にチェックを入れても日本語表示は大丈夫でした(ただし、文字サイズがちょっと変わりました)。

理由はよく分かりませんが、結果がよければよしということにしておきましょう。レジストリのシステムフォント変更(特に [FontSubstitutes] の部分と、[SystemLink] の "Tahoma" の部分)が重要であるということは間違いないでしょうが…。


〔注記〕 システムフォントについては「WindowsXP のシステム・フォントを変更する(1)」等を参照して下さい。

(トラックバックを送った記事)

JIS2004対応 MSゴシック・MS明朝

〔2007.02.09記〕

ご存じの方も多いでしょうが、メイリオJIS2004対応フォントとして昨年発表されました。また、Windows Vista にはメイリオだけでなく JIS2004対応した MSゴシックと MS明朝および日本語 OpenTypeフォントが搭載されています。

それに引き続き、WindowsXP(Service Pack2以降)・WindowsServer2003 向けの JIS2004対応 MSゴシック・MS明朝フォントが昨日マイクロソフトから発表されました。この JIS2004対応フォントは「Windows XP および Windows Server 2003 向けJIS2004 対応 MS ゴシック & MS 明朝フォントパッケージについて」からダウンロードできます。

ただし、Open ブログにあるカテゴリー文字規格の記事を読むと、メイリオも含めて MS のいう「JIS2004対応」には問題があるようです(JIS の破綻JIS2004 の死)。しかし、ファイル名に Unicode を使ったりしない限り普通に使う分には重大な問題が起こることはないようなので(複数の事象を混同しがちなVistaの文字問題)、メイリオと字形を合わせるという意味で JIS2004対応の MS ゴシックMS 明朝をインストールする理由はあるでしょう。

私も上記のフォントパッケージをダウンロードしましたがまだインストールしていません。というのは、インストールしても使う機会がほとんどないような気がするからです。余計なことはしない方がいいという判断ですね。ただ、印刷などで MS ゴシックMS 明朝 を利用し、メイリオ系のフォントもインストールしているという方は字形の整合性を図るために JIS2004対応 MS ゴシックMS 明朝をインストールする意義はあると思います。

(トラックバックを送った記事)

Styler 1.401(2)――手軽で便利な Styler

〔2007.01.30記〕〔2007.02.07追記

Styler 1.401(2007/01/20)で Styler をご紹介してからずっと使い続けています。快適です。Windows Font Final(まいう〜さん)のところであらためてご紹介されていたuxtheme.dll パッチ当て(ハック)の方法(DesktopCustomize.com)を見て、uxtheme.dll のパッチ当てやその解除が簡単にできることが分かったので、セーフモードからパッチ済みの uxtheme.dll を削除しオリジナルの uxtheme.dll に戻しました。その状態でしばらく Styler を使っていますが、とりあえずパッチ当てなしのこの状態で Styler を使ってスキン(Visual Style)を切り換えるというやり方に私は満足しています*。


〔2007/02/03注記 すでに uxtheme.dll のパッチ当てをしている場合、わざわざそれを解除する必要はないと思います。私も今は解除していますが、いずれ上記「uxtheme.dll パッチ当て(ハック)の方法」で紹介されている UXTheme Multi-Patcher (Neowin Edition) 4.0.exe でパッチを当てるつもりでいます(パッチ当て・解除が正常にできることは確認済み)。私は Styler をスタートアップに入れていませんので、パッチ当てを解除した状態では起動直後の画面が「XP スタイル」か「クラシック スタイル」になっています。パッチ当てがしてあれば、「その他の部分」以外は前回終了時の画面表示状態で起動してくれますから、その方が自然です。

なお、UXTheme Multi-Patcher (Neowin Edition) 4.0.exe は
Uxtheme Multi-patcher - フリーダウンロード(COW&SCORPION)
というページにある uxpatcher.zip(829KB) をDLするのが簡単です。

「Styler 1.401」(2007/01/20)の追記およびコメントにも書いたように、フォントの指定を MeiryoKe にして [常にこの設定を利用] にチェックを入れておけばスキンを切り替えるたびに面倒なフォントの再指定をする必要がないというのが第一に気に入っている点ですが、さらに 新しくダウンロードしたスキンを .zip や .rar のまま解凍せずにドラッグ&ドロップするだけで簡単に登録できるというのも気に入っています(Windows のThemesフォルダに自動的に展開してくれます)。私のように好きなフォントで好きなスキンを使えればそれでいいという方には、uxtheme.dll パッチ当てなしでも手軽に使える Styler をお薦めします。レジストリ変更・追加だけでは変更できないシステム・フォントの部分を MeiryoKe 等に変えるのにも使えますから、一石二鳥ですね。

下の画像は『m - o - d - c: VisualStyle』(ken-kenさん)というページからDLした LNP というスキンです。なお、このブログに登録されている ken-kenさん作のスキンは Styler で簡単に使えるようになっています。

Visual Style "LNP(Green)" の表示例。
“LNP_Green.png”

〔2007.02.07追記

壁紙もドラッグ&ドロップするだけで Styler に登録されます。この場合は My Documents\My Picutures にコピーされますから「画面のプロパティ」の [デスクトップ] でも選択できるようになります。

(関連記事)

(トラックバックを送った記事)

シニフィエについて

〔2007.01.28記〕

ソシュール用語を再規定する試み(1)(2006/08/29) に対して takekiさんからいくつかコメントをいただいています。takekiさんはその中でシニフィエについて書いておられます。それにお応えするためにいろいろ考えたのですが、結局はシーニュをどのようなレベルでとらえているのかをはっきりさせないままではシニフィエについてきちんとしたお話はできないだろうと思っています。つまりシーニュというのはなのか内語なのか、それとも語規範なのかということであり、シニフィアン語音語音像語韻のうちのどのレベルで考えているかということです。なお、これらの用語については、記事内の用語について(2007年1月25日修正・追記)「内語」「内言・思考言語」の再規定言語音・言語音像・音韻についての覚書などを参照して下さい。

ソシュールは語規範(連合関係・パラディグム)のレベルと内言(連辞関係・サンタグム)のレベルとの両方において別々に「シーニュ」を規定しています。また、構造言語学では、さらに表現された言語(話し言葉・書き言葉等)のレベルにまで拡張して「シーニュ」という概念が使われていますし、さらに構造主義やその流れを汲む記号学では、言語以外のあらゆる「記号」的なものにまで「シーニュ」は際限なく拡張されて用いられています。

言葉というのは、なんらかのものごと概念的に把握し(個別概念)、その概念的に把握した認識(個別概念)を、言語規範に媒介された概念と結びついた一定の種類の形象(言葉=言語音・文字など)として表現したものであり、表現された言葉の背後には表現しようとしたものごととの結びつきが表現者の認識(個別概念)を仲立ちとして間接的に存在しています。

私たちは他の人間の認識(個別概念)を直接知ることはできませんが、言語表現その他の表現物を仲立ちとして、表現者の認識に到達し(観念的な追体験)、さらにその認識を仲立ちとして、表現者が表現しようとしたものごとに到達することができます。つまり、表現者の意図や表現しようとしたものごと(=言葉の意味)は言葉(言語表現)を仲立ちとした間接的なつながりとして表現された言葉に結びついて(比喩的にいえば「凝結し」て)いるのです(ここでは詳しく書くことはできませんが、彫刻や絵画・写真・映画等の表現物や言語における非言語的表現においては、表現者の意図や表現しようとしたものごと(=表現物の意味・内容)は言語表現とは異なり、規範に媒介された概念を介さずに、形象形態である表現物に直接的に結びついて表現されています)。しかし、表現者が表現を通して表現しようとしたものごとを把握するためには、上に書いた観念的な追体験が必要です。それは表現者の立場に移行しその表現過程を追体験するという想像的な実践です(この想像的な実践のことを三浦つとむは観念的な自己分裂と名づけました)。そして彫刻や絵画等においても、表現者が表現し形象に直接結びついているその内容を理解するにはやはり想像的な追体験つまり観念的自己分裂の実践が要求されることには変わりはありません。

このように、言葉(言語表現)は言語規範を介した間接的な表現であり、その間接的な表現の中で言葉に直接に結びついている概念(語概念)が、表現者の認識である個別概念と間接的に結びついており、さらにその個別概念を介して表現者の意図や表現しようとしたものごとが間接的に結びついています。言葉はこのように複雑な過程的構造をもった表現であり、言語規範を介した間接的な表現であるということが他の表現とは大きく異なる言葉特有の性格なのです。

したがってシニフィエつまり「意味されるもの」が、この複雑な過程的構造のどのレベルにおけるシニフィエなのかをはっきりさせないと議論は混乱するでしょうし、お互いの共通理解はむずかしいでしょう。さらに、シニフィアン「意味するもの」としては言葉や内語あるいは語韻とは異なる「もの」の存在をも考えに入れる必要があります。そしてこれらについても形象形態表象形態概念形態の各レベルを区別して論じる必要があるでしょう。これは記号論記号学の領域です。

そして、言語や記号において、形象形態表象形態概念形態の各レベルにおけるシニフィエがいったいどのようにして形成されるかを根源的に問う必要があるのではないかと現在の私は思っています。それは言語や記号を度外視した、形象形態・表象形態・概念形態の各レベルにおける原初的なシニフィエの存在を問うことです。それはある意味では言語規範を獲得する以前の幼児や言葉を学ぶ以前のヘレン・ケラーの立場になって世界を見ることでもあります。

(関連記事)

(トラックバックを送った記事)