メイリオ系フォントについて(1)

〔2006.11.27記〕

以前『濫觴』に「ブラウザでメイリオを使うと、バックグラウンド・カラー付きの語のバランスが悪い(背景色が文字の上下に拡がってしまう)」ということを書きました。さらに、MeiryoKe_Gothic を生成するパッチが置いてあるmeirを読むと「Ke_Gothicは ターミナルやテキストエディタ等、CUIな実務には使い物にならん」ので MeiryoKe_Console を作ったと書いてあります。これはどういうことなのだろう、と思ってバックグラウンド・カラー付で各フォントを表示してみました。

メイリオ系の上下方向の空隙

欧文フォントの基礎知識(和文フォント大図鑑)によると、欧文フォントの場合、文字のおさまっている部分のうち上の限界線をアセンダーライン、下の限界線をディセンダ−ラインというようです。そして日本語フォントの場合は文字の部分を字面(じづら)というようです。上の表示例をアセンダーラインの上とディセンダ−ラインの下にそれぞれある空隙(字面の上下にある空隙)に注目して見ると、メイリオの下側の空隙の大きさが際だっていることに気がつきます。そして、MeiryoKe_Gothic系 も下の方に例示したその他のフォントと比較するとこの空隙がやや大きい。「Ke_Gothicは … CUIな実務には使い物にならん」というのはこの空隙の大きさのことだったんですね。それで他のフォントと同様の高さをもつ MeiryoKe_Console を作ったということなのでしょう。

ところで、WindowsXP のシステム・フォントを変更する(2006.11.16) にまいう〜さんからいただいたトラックバック元の「明瞭系フォント比較」(2006年11月24日)には等幅フォントプロポーショナルフォントのことが書かれています。これは上下の空隙ではなくて、画面に表示する際に左右方向の空隙を詰めないか詰めるかの違いとして現われるものですね。メイリオはTBPゴシックと同じようにプロポーショナルでありながら、日本語部分は字詰めの割合がすべて同じなので等幅フォントのように見えます。欧文や記号・数字の部分は普通のプロポーショナル(文字によって字詰めの割合を変える)になっています。MS Pゴシックは日本語の仮名の部分がプロポーショナルになっていて、しかもその字詰めの割合が極端に大きいものがあったりして、読むときに非常な違和感を感じます(「くくる」のように「く」が重なる場合など)。下のように並べて表示してみるとメイリオ系それぞれの特徴がよく分かります。

メイリオ系の字詰め

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